仕事と人

Global

海外から見たJPX

London
Madrid
New York

JPX GLOBAL VOICE

01 | London

髙橋 弘幸

所属:グローバル戦略部 ロンドン駐在員事務所
経済学部経済学科卒
2008年入社

Career Step

※部署名は当時のもの

2008-2010
株式部
2010-2011
三菱UFJ証券株式会社(NY)
2011-2013
IT開発部トレーディングシステム
2013-2016
人事部
2016~
ロンドン駐在員事務所

拠点におけるミッションとは

ロンドン駐在員事務所のミッションは主に2つあります。一つ目は、日本マーケットの海外プロモーション、すなわち、海外投資家のお金を日本マーケットに呼び込むこと。海外からの投資を呼び込むために、日本マーケットにおける上場企業の取組みや、売買制度、マーケットの現況、システム構成などを丁寧に説明し、理解をしてもらうことが重要となります。二つ目は、現地調査を通じて、取引所ビジネスや関連規制に関する機微を捉えることです。ビジネスや規制の潮流はまさに日進月歩。規制をひとつとっても、その内容は幅広く、表層的な部分だけでは分かりづらいこともあり、関係者へのヒアリングが欠かせません。生の声を聞くことで、意外な側面や実情が理解でき、それが日本マーケットへの重要な示唆になることも少なくありません。現地関係者とのネットワークを構築して、現地でしか得られない情報を入手し、適切に日本へフィードバックしていくことも重要な仕事のひとつです。

英国から見た日本市場の位置づけ

「JPXは我々にとって話を聞いてくれる世界で唯一の取引所だ」。ある海外投資家に言われた言葉です。JPXは、間違いなくアジア地域を代表する取引所との認識はあるものの、それを理解するためには、言語や時差など様々なハードルがあることも事実です。特に欧州においては、長期視点で日本企業を評価する投資家が多数いますので、上場制度や上場企業の取組みに対して高い関心が寄せられています。取引所という中立的な立場から、上場企業に対する我々の働きかけを説明し、日本マーケットへの理解を促すとともに、彼らのニーズを汲み取り、それを制度運用につなげていくことが重要です。そのような意識での対話を続けていくことが、海外投資家にとって安心して売買できるマーケットの提供につながるのだと考えています。

海外から見てJPXに求められているもの、
また、提供すべき価値とは

ハード面では、安定したマーケット運営(システムの安定的稼働)をすることだと思います。海外投資家には、売買の成立する時間や、株価を始めとするマーケット情報を早く入手して次の売買を行いたいという方が多くいます。一方で、取引所は、社会的インフラであり、止めてはならないというミッションクリティカルな面もあります。すなわち、高速性と安定性の相反するふたつの要素を実現し、利便性の高い金融インフラを構築すること、それがハード面で求められていることだと思います。また、ソフト面では、海外投資家に対して制度やシステム構成への理解を促す姿勢があげられます。コーポレートガバナンス・コードの策定・施行などからもわかるように、日本企業の収益性向上やコーポレートガバナンスの強化を求める海外投資家の声はますます大きくなってきています。上場企業と投資家の相互理解を促進するための、橋渡し的役割もJPXが提供するべき価値の一つだと考えています。

今後の目標について

世界はダイナミックに変化し続けており、直面する課題やニーズは多様化し、これまでの取組み、考え方では通用しなくなってきました。また、取引所の運営及びビジネスには、非常に広範な見識、知識が必要となります。今後、日本マーケットが世界に提供できる価値は何かということを常に考え、企業やブローカー、投資家を始めとする関係者の方々と一緒にマーケットを発展させていくことで、ひとつ上の価値や貢献をJPXとして提供していきたいと考えています。

JPX GLOBAL VOICE

02 | London

鳥居 夏帆

所属(留学先):London Business School
経済学部卒
2010年入社

Career Step

※部署名は当時のもの

2010-2012
派生商品部
2012-2015
広報・IR部
2015~
London Business School

海外留学を志望した理由

派生商品部や報道担当の業務を通じて、JPXの国際競争力の強化が、JPXにとってはもちろん、日本経済にとっても重要な課題であるということを強く感じるようになりました。また、目まぐるしく変化する社会を生き抜いていくために欠かせない知識や考え方を身につけたいとも思うようになり、ビジネスに関する知識を体系的に学ぶことができ、多様なバックグラウンドを持つ人に出会える、海外のMBAプログラムを志望するようになりました。

留学先で主に学んでいること

私が在籍しているLondon Business SchoolのMBAプログラムでは、世界60ヵ国以上から400人の学生が集まり、2年間にわたり切磋琢磨しながら共に経営学を学びます。1年目には、ビジネスの基本となるコーポレートファイナンスや、会計学、経済学などをクラス単位で学び、2年目には各自が好きな科目を履修します。私は、金融や企業戦略に関する授業や、交渉術などを履修しています。日々の授業からはもちろん、国籍もキャリアも様々な同級生たちとの議論やグループワークからもたくさんの刺激を受けながら多くのことを学んでいます。

海外から見てJPXに求められているもの、
また、提供すべき価値とは

海外で日本の話をすると、日本人の穏やかさや誠実さ、日本製品の品質の高さ、新旧が融合したユニークな文化が高く評価されていると感じます。JPXには130年以上にわたり証券市場の構築と発展に取り組んできた経験と知識が蓄積されています。JPXと、そこで働く私たち一人ひとりには、この経験や知識を活かして、これからも公正で透明性の高い市場を提供し続けるとともに、今後は国内外で市場の変革をリードしていくような存在になることが求められているのではないかと思います。

今後の目標について

IT技術の進展や金融工学の発達等により取引所を取り巻く環境が大きく変化し、シンガポールや香港といったアジア諸国が台頭するなかにおいては、今まで以上に、環境の変化に即した施策を迅速に講じていくことがJPXにとって重要になっていると考えています。今後は、これまでの業務経験や、MBAプログラムで学んだことを活かして、グローバルな変革を牽引するような事業戦略の立案や実行に携わりたいと思っています。

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03 | Madrid

森 貴規

所属(留学先):IE Business School
法学部卒
2009年入社

Career Step

※部署名は当時のもの

2009-2010
市場運営本部取引管理グループ デリバティブ
2010-2012
市場運営本部取引管理グループ デリバティブ・FXチーム
2012-2013
市場運営本部清算・決済管理グループ(リスク)
2013-2016
(株)日本証券クリアリング機構
2016~
IE Business School (Spain, Madrid) International MBA

海外留学を志望した理由

これまでのキャリアにおいて、主に金融商品の取引・清算・決済に関する制度及び運用の構築に携わってきました。年々プロジェクトの難易度は上がり、金融やマネジメントの基礎知識の不足を感じることが多くなっていたことに加え、海外の取引所やシステムベンダの方々と仕事をさせていただく機会が増え、様々な国籍・立場の人と信頼関係を築くスキルの必要性を感じていました。双方を体系的・実践的に学ぶことができる海外MBAはまさにその目的に100%フィットするものでした。

留学先で主に学んでいること

私が通うIE Business School では、世界62か国から集められた400名の生徒が、国籍・職業のバックグラウンドを考慮しさらに50名・8クラスに割り振られて授業を行います。 一般的なMBAで行うFinance、Accounting、Strategyなどに加えて、IEはEntrepreneurship(起業家精神)の授業に力を入れており、仲間とビジネスアイデアを出し、ブラッシュアップし、最終的に投資家の前でプレゼンする過程をすべて実際の授業で行います。この授業を通じて取引所の最大のお客様である「投資家」と「起業家」の目線を学び、今後の業務でそれぞれに価値の高いサービスを提供できるような人材になりたいと考えています。

海外から見てJPXに求められているもの、
また、提供すべき価値とは

日本は世界的に見れば成熟したマーケットですが、ITの発展を通じてまだまだ新しい価値を生み出せるポテンシャルがあると思います。さらに、成長を続けるアジア地域において、日本の安定的な制度・運用はそのお手本となりうる存在です。今後も市場や顧客のニーズを正確に把握し、迅速に提供していくことで、アジアを代表する市場インフラとして、世界をリードしていかなければならないと考えています。

今後の目標について

金融のボーダーレス化が進み、取引所間の国際的な競争がますます激しくなってきているなか、既存のやり方をなぞっているだけでは投資家はすぐ別の市場に逃げて行ってしまうのは間違いありません。今回頂いた海外留学の機会で得た学びを最大限今後の業務に活かし、JPXのプレゼンスの向上、ひいては日本市場の活性化に貢献していきたいと思っています。

JPX GLOBAL VOICE

04 | New York

高頭 俊

所属:グローバル戦略部 ニューヨーク駐在員事務所
経営学部経営学科卒
2005年入社

Career Step

※部署名は当時のもの

2005-2007
株式部
2007-2011
株式部総務グループ
2011-2012
三菱UFJ証券株式会社(NY)
2012-2016
マーケット営業部
2016-2016
株式部
2016~
ニューヨーク駐在員事務所

拠点におけるミッションとは

NY駐在員事務所は米国証券市場の制度調査を目的に設立されました。世界で最も大きなマーケットを持つ米国には先進的な取組みも多いため、日本が学ぶべき仕組みなどを本社にレポートすることが業務の一つです。加えて近年は、米国の投資家・証券会社に対して日本市場について直接説明する機会も増えてきています。JPX市場で売買するためのお手伝いや、コーポレート・ガバナンスのようなJPXの上場会社に対する取組みを紹介するなど、日本で培った営業の能力を生かしながら、日本市場の魅力を伝えています。

米国から見た日本市場の位置づけ

東証に上場する企業は3500社以上ありますが、これはニューヨーク証券取引所やNasdaqよりも多く、これほど多くの企業が1か所に上場している取引所は世界でも珍しいことから、米国だけでなく世界中の投資家から重視されている市場であると言えるでしょう。特にJPXの売買制度はシンプルで分かりやすいこともあり、アジアにおける最も優れた取引所であると見られています。一方で、上場企業のガバナンスが欧米よりも遅れていると指摘されることも多く、さらなる改善が必要な部分もあります。

海外から見てJPXに求められているもの、
また、提供すべき価値とは

安定して利用しやすいシステムの提供から、上場会社のIRやガバナンスに対する取組みの改善まで、海外のお客さまがJPXに求めるものは多岐に渡ります。一貫しているのは「合理的な上場・売買制度」を求める声であり、そのような要望に応えるべく、日々改善を行っていくことが必要です。また、1日に何度も売買する人や、何年も株式を保有し続ける人など、立場や目的の違う投資家に対して公平かつ透明性のある市場を提供し続けるバランスも強く求められていると感じます。

今後の目標について

私の強みは証券流通市場にあるため、今後も周辺知識を拡充させ、今まで築いた人々との国内外のつながりを活かしながら、世界中の投資家をJPX市場に呼び込む仕事を続けていきたいと考えています。目下の目標はウォール・ストリートで人脈を増やし、ビジネス機会を広げることです。