仕事と人

Interview

社員の想い

05

個々のビジネスモデルを理解し、
企業の発展に寄与していく
仕事が個々にある。

上場審査部
経済学部経済学科卒
2008年入社

現在の仕事

入社以来、私は上場審査の仕事に従事しています。東証一部・二部、マザーズ、JASDAQなどの株式市場に新規上場(IPO)を目指している会社に対し、その会社が上場適格性を有しているか審査をしており、上場審査に関する基準に適合していれば上場承認を出します。もし、私たちが判断を誤れば、投資家に不測の損害を与えることにもなりかねないので、責任は重大であると感じています。このため、1企業に対して常にチームで対応をしていくほか、最終的には部全体などの組織として議論をし、結論を出していきます。

なぜ、日本取引所グループに入社しようと考えたのですか?

私が東京証券取引所グループ(当時)を選択したのは、「資本市場のインフラ」という役割と、取引所間の国際的な競争に勝っていくという経営課題を合わせ持っていたからです。公的な役割を担う企業としての責任感や使命感と、私企業としての攻めの姿勢の両方を意識しながら仕事ができるということが、とても魅力的な職場だと思いましたね。

現在の仕事のやりがいや心がけていることはなんですか?

新規上場を目指す会社は、他にはない新しいビジネスモデルを持っている場合が少なくありません。その場合、取引所にとっても経験したことのない案件となるため、まずは業界を徹底的に調べることから始めます。会社のビジネスモデルを理解し、利益の源泉がどこにあるのか、ビジネス上のリスクがどこにあるのかということを慎重に検討しながら、審査を進めていきます。単純に他社と比較して検討ができない分、自分で考えなければいけないことも多く、その分やりがいはあります。そんな中、業種・業態に関わらず、審査業務を行っていく上で変わらない軸があります。それは、「上場会社として必要なことは何か」「不特定多数の投資家の投資対象となるために求められることは何か」です。この軸を常に頭の片隅に置きながら仕事をしていくことを心掛けています。

現在の仕事に求められることはなんですか?

審査業務の対象にはIPOだけでなく、マザーズやJASDAQから東証一部・二部への市場変更や、ETF(上場投資信託)、REIT(不動産投資信託)なども含まれます。ですから、市場全体や金融商品に関する多様な知識が求められます。それに、複数の企業を担当することで、幅広い業種をみることにもなりますから、仕事を通じて大きな成長が期待できると感じています。

チームワークという観点ではどうですか?

「1+1=2」ではなく、それを3にも4にもしていくことが大切だと考えます。私の部署でいえば、上場推進部との関係でしょうか。上場推進部は起業して間もない会社などにも営業を行い、IPOに向けての土壌を育てていく部署。それに対して、私たち上場審査部は上場適格性を公正に判断することで市場の健全性を守っていく部署。お互いが自分たちの役目をきっちり果たすことで魅力ある会社を数多く市場に提供していくという目標が達成できるのではないでしょうか。

これまでのキャリアで現在の仕事に役立っていることはありますか?

私は入社5年目に証券会社の投資銀行部門等に出向し、1年間、IPOを含めたエクイティ・ファイナンスや社債の発行を、証券会社の立場から見ることができました。資本市場がどのように活用されているのかについて、身を持って学んだ経験を通じて視座が広がり、今の仕事に多いに役立っていると感じています。自分の幅を広げるためと、会社として成長していくための両方に必要不可欠なのが、常に新しいことに挑戦していく前向きな姿勢だと思います。私自身、海外での語学研修に挑戦したことで英文の書類にも慣れ、その後、グローバル展開する会社の審査を担当するなど仕事の幅が広がりました。

今後の目標をお聞かせください。

昨今、日本取引所グループは、様々な局面において国際的なものの見方をすることが、以前に増して求められていると感じています。海外の取引所の動向にも注目し、海外での語学研修や証券会社への出向という経験も活かして、常に国際的な視点を持ちながら仕事ができる人間になっていきたいと思っています。また、時代の変化に合わせて、時には時代の先を見て変わっていくことが、個人としても会社としても必要不可欠だと考えます。実際に審査業務においては、プリンシプルベース(原則主義)で定められている基準について、どのように運用していくべきなのかという点を継続的に検討し、対応しています。また、時代は常に変わっていきますので、必要があれば、取引所が基準を変えていくことも必要なのです。経済環境の変化等を踏まえて企業の収益性審査の見直しを行うなど、時代のニーズの変化を察知して主体的に仕事に取り組んでいきたいです。

Career Step

キャリアステップ

2008-1年目
上場審査部に配属。1年目から担当企業を持ち審査業務を行う。
2012-5年目
1年間、証券会社の投資銀行部門等に出向。
2013-6年目
上場審査部に戻る。再び審査業務に就き、様々な業界の会社の審査を担当している。