仕事と人

Interview

社員の想い

02

市場動向や運用成果を示す指数を開発。
社会のトレンドを
映すテーマにも注目。

情報サービス部
国際総合学類卒
2007年入社

現在の仕事

情報サービス部の業務は、取引所で生成された株価情報を証券会社や情報ベンダーなどに提供する情報配信、投資部門別などの統計情報の開示、株価データなどを指数などに加工し提供する株価指数ビジネスなど多岐にわたります。私の業務は、TOPIX(東証株価指数)をはじめとする当社の株価指数の運用管理及びETF(上場投資信託)などの金融商品連動指標となる新しい株価指数の企画開発です。一口に株価指数といっても、ニーズやトレンドはつねに変化するため、毎年のように新しいテーマに取り組む必要があります。その都度、調査研究を進める業務なので、いつも新しい気持ちで業務に取り組んでいます。

JPXが発表する「指数」とはどのようなものでしょうか。

指数は「インデックス」とも呼ばれ、株価などのマーケット個々の価格データから、市場全体の動向や、ETF・REIT(不動産投資信託)など金融商品の価格動向を分かるように数値化したものです。たとえばTOPIXという言葉を耳にしたことがあると思いますが、TOPIXは日本の株式市場の動向を示す代表的な株価指数です。指数はある時点の価格を基準にその増減を表示しますので、マーケットの価格変動を長期的に評価することができます。こうしたことから、指数は日本や世界の経済動向を示す指標として用いられるほか、投資のための指標や金融商品を運用する際のベンチマークにも活用されています。現在JPXでは300以上の指数を算出・公表しているほか、毎年のように新指数を開発しています。

指数開発のおもしろさ、やりがいはとは何でしょう。

自分が開発した株価指数に連動するETFが上場するという経験は毎回とても印象深いです。めざす指数を作り上げるためには、まず商品組成をめざすアセットマネジメント会社と商品コンセプトのすり合わせからスタートします。その後確定したコンセプトを正確に反映するよう銘柄のスクリーニングを行い、何度もシミュレーションを繰り返して指数を具現化していきます。指数の開発では指標としての特徴だけでなく、投資しやすいポートフォリオになっているか、どのくらいの連動資産まで運用できるかなど複数の観点を考慮して進める必要があり、ひとつの指数をリリースするまでには数か月程度、長いもので1年以上を要します。指数は運用会社や投資家の判断に影響するため、つねに責任感と緊張感を感じる仕事ですが、経済の活性化にも貢献している実感も得られ、大きなやりがいを感じます。

仕事に関して心がけているものは何でしょう。

投資家は社会の動きにとても敏感です。これからどのような事業に投資すべきなのか、どのようなビジネスが成長していくのかに、つねに関心を寄せています。指数開発に携わる私たちも同様です。社会のトレンド、時代のニーズをいち早くキャッチし、その動きを的確に示す指標を開発しなくてはなりません。たとえば2018年にリリースした「S&P/JPXカーボン・エフィシェント指数」は、世界的に関心が高まるESG(Environment:環境、Social=社会、Governance=企業統治)のE(環境)に着目して開発したものです。上場企業のなかでも環境情報の開示状況や炭素効率性の高い企業の投資比率(ウエイト)を引き上げることで、市場全体の環境に関する取り組みと情報開示を促し、株式市場の活性化をめざしています。このように、つねに社会の動きにアンテナを張り、マーケットに求められているものを考え続けることが、この仕事に必要不可欠な姿勢だと私は考えています。

今後のビジョンについてお聞かせください。

指数やデータ提供といった情報ビジネスは、第3次中期経営計画でも重点項目に位置づけられており、JPXのなかでも今後拡大する可能性が高い事業と考えています。私自身は今後も世の中のトレンドを追いながら、新しいテーマ性を持った新しい指数の企画開発に携わっていきたいと考えています。また、JPXには膨大な取引データが蓄積されており、それらを二次加工した情報ビジネスの可能性にも関心を持っています。今後も新指数の企画開発の仕事に携わっていきたいと考えています。

Career Step

キャリアステップ

2007-1年目
派生商品部に配属。主としてJGB(日本国債)先物取引の売買監理業務に従事。
2008-2年目
情報サービス部に異動。TOPIXをはじめとする株価指数の運用管理や、新指数の開発を担当。
※2014年、2017年に出産・育児休暇を取得。