仕事と人

Interview

社員の想い

09

世界最高水準の現物株式売買システム
arrowheadの開発・改善に取り組む。

IT開発部
トレーディングシステム担当
医学部人間健康科学科卒
2015年入社

現在の仕事

IT開発部は現物株式売買システムarrowheadの開発を行う部署です。arrowheadでは、多い日には1億5000万件もの取引が行われ、取引金額は約4兆円にものぼります。株式市場の取引を円滑に行うために、日本だけではなく世界中の投資家にとって信頼性・耐障害性・利便性の高い株式売買システムを提供することが、私たちIT開発部のミッションです。arrowhead開発そのものが日本の直接金融市場で取引を行うすべての投資家に関わるため、私たちの仕事は広範囲にわたって影響を与えます。より多くの方々にご満足いただけるようシステムを開発・改善することが、健全な株式市場に直結することをつねに自覚しながら日々の課題に取り組んでいます。責任はとても重いですが、その分やりがいの大きな仕事です。

JPXを志望した理由を教えてください。

学生時代、お金の大切さを痛感しました。高校時代は吹奏楽部の発表を行う会場費用を捻出するため地域住民の方々から協力金を募り、大学時代には子宮頸がん啓発活動のため、医療関係者や、若い女性、子どもを持つお母さんたちに活動資金の支援をお願いしました。学生の活動ですらお金が必要なのに、企業活動ではなおさらお金は重要だろうと考え、企業の資金調達に関わる仕事に就きたいと思うようになりました。より多くの人々にお金を循環させ、企業の資金調達に重要な役割を果たすのは取引所だと考え、JPXへの就職を希望しました。

arrowheadの開発とはどのような仕事なのか、詳しくお聞かせください。

arrowheadは東京証券取引所の現物株式売買システムです。世界最高水準の高速性・信頼性・拡張性を兼ね備えた売買システムとして2010年1月に稼働し、その後、売買件数の増加や投資家の新しいニーズなどの株式市場の環境変化に対応するため、2015年、2019年に大きなリニューアルを行っています。IT開発部はこうした数年に1度のリニューアル開発を行うとともに、投資家のご要望に応えるために機能の追加や変更などを日々推進しています。
2019年のarrowheadリニューアルでは、売買制度の見直しによる株価急変動の抑止や、終値での約定成立機会の向上、システム性能の安定化など、利用者がより安心して取引できる市場を実現しました。私が担当したのは株式売買のメンテナンスに関わる登録機能の改善、およびマーケット監視機能の強化に関わるシステム開発です。とくに上場会社から投資判断に大きな影響を及ぼす情報が出された場合の売買停止機能など、市場安定性に関わる機能の検討を行いました。この開発を通して多くの市場関係者の理想や要望に触れることができ、学ぶことの多い仕事でした。

株式売買システム開発の面白さ、また大変なところを教えてください。

現物株式市場を運営する仕組みそのものを開発しているので、自分の仕事が直接ユーザーの利便性や安定的な市場の提供につながります。それだけに責任は大きく、またやりがいを感じられる仕事です。システム開発といっても、私たちが直接プログラムを組んでいるわけではありません。よく「システムをデザインする」という言い方をするのですが、ユーザー、関係者のご要望をまとめ、システム全体のバランスを踏まえどの部分をどうすればいいかを考えることが私たちの仕事です。要件を正確にシステム開発ベンダーに伝え、基本設計が完成したら、設計にその要件がしっかり反映されているかどうかをチェックします。そしてシステムが納品された後は、要件通りに作動するかどうかをIT開発部とユーザー部署でテスト、確認します。このようにarrowheadの開発には多くの関係者が関わり、決してIT開発部単体で進めることはできません。目的を遂行するためには、いかにユーザーニーズを正確に汲みとるか、また求める要件や機能を関係各所に正確に伝えるかが重要です。システム間の結合では言わなくても伝わるだろうという考え方は絶対禁物です。人間同士なら会話の行間を読んでもらえても、システムには通じません。arrowheadの開発に携わったことで、私は物事を正確に把握し、伝える力が鍛えられました。

IT開発部の職員の雰囲気を教えてください。

とても賑やかな職場です。部内のいろんな場所に会議卓があり、上司部下関係なく気になる話題があれば、関係しそうな人を呼んでその場で議論が始まります。会議卓の会話はみんなに聞こえるので、呼ばれていなくても自分が関係すると思ったら入っていく人もいるので、風通しは抜群です。arrowheadは大きなシステムで、わからないことや自分だけでは解決できないことも多いため、私はすべてひとりで解決しようとするのではなく、周りの人に助けを求めるようにしています。その意味でも、すぐに会議卓を囲み、さまざまな知識を持つ方々にアドバイスをいただけるこの環境は理想的です。ただ、助けてもらうにあたってこちらの準備不足では一方的に相手の時間や労力を搾取してしまうので、準備だけは怠らないようにしています。

JPXで今後どのように活躍していきたいと考えていますか?

私がarrowheadのメンテナンス機能の担当を任せていただいているのは、株式部での登録情報メンテナンス業務の経験を活かしてほしいという期待の表れだと思っています。まだarrowheadのメンテナンス機能のすべての課題を解決してはいないので、まずはメンテナンス機能の課題をすべて解決することが当面の目標です。現在の仕事にはとても満足しているのですが、まだまだ多くの可能性が開かれていると思いますので、これからのキャリアについては他部署でもさまざまな経験を積みながら考えていくつもりです。IT開発部は勤務地が有明なので、兜町の本社での業務も経験してみたいですね。

Career Step

キャリアステップ

2015年-1年目
株式部売買監理グループに配属。現物株式市場の売買監視および新規上場企業や社名変更など登録情報のメンテナンスを担当。
2016年-2年目
IT開発部トレーディングシステム担当に異動。現物株式売買システムarrowheadの開発に携わる。